重度訪問介護プラスハートとして10周年
お陰様で2015年9月18日に法人登記をしましたのでこの日を迎える事ができました。
弊社の成り立ちをご紹介させていただきます。

この事業所の始まり
その日、私は営業で国立市を訪れていました。仕事の合間に国立駅前の喫煙所で一服していると、車椅子の方が手渡しでビラを配っていましたが、受け取る人は誰もいませんでした。誰も立ち止まらない中、私は気になって声をかけました。
その方は、鎌倉の実家を出て一人暮らしを始めるため、不動産屋を回る手伝いをしてくれるボランティアを探していました。障害者介護の知識も経験もなかった私ですが、思いきって仕事を中断し、一緒に不動産屋を回りました。しかし、車椅子対応物件はなかなか見つからず、不動産屋によっては嫌な顔をされることもありました。
昼食は松屋の牛丼を買い、駅前のベンチで一緒に食べました。「こんな経験は初めてだよ」と見せてくれた嬉しそうな笑顔が、今でも忘れられません。夕方になり、ようやく条件に合う物件が見つかりました。
一日を共に過ごした帰り際、「今後も仕事として手伝ってほしい」と頼まれ、その時初めて「介護」という仕事の可能性に気づかされました。最初はボランティアのつもりだった行動が、人の役に立つ仕事に変わった瞬間でした。この方との出会いが、私が介護資格を取得し、法人事業所を立ち上げる原点となったのです。
そして、その方とは25年経った今も、毎週日曜日にヘルパーとしてお付き合いが続いています。私たちは、お互いにとってかけがえのない存在です。
この経験を通じて私は、「困っている人がごく当たり前の生活を送ることすら、容易でない現実」があることを知りました。そして、ほんの少しの手助けで多くの課題が解決できることも実感しました。
この経験が原点となり、今も私たちは“誰かの日常を支える”という想いを胸に、事業を続けています。